旅のワクワク感を、一年中感じられる。観光バスドライバーの特権です。 伊奈 泰央 2012年入社

子どもの頃から乗り物が好きで、大きな車を運転したくて、この仕事を選びました。始めてみて思ったのは、1年があっという間だということ。旅行って、楽しくって気づいたら「もう終わりか」って思いますよね。あの感覚に近いかもしれません。きょうは京都の世界遺産を巡って、あしたは富山の黒部ダムへ。そして、その次の日は愛媛の道後温泉へ。毎日、運転席からの眺めが変わるので、飽きることがありません。あまり大きな声では言えませんが、ドライバーもお客様と同じように観光スポットを散策したり、郷土料理を楽しんだり、温泉で疲れを癒したりすることもあるんですよ。お客様からよく旅先で「このへんでオススメのお店とか場所とかない?」と聞かれたりするので、それも仕事のうち。この道何十年というベテランにもなると、道だけでなく全国の名所や名物に詳しくなります。あと、旅の醍醐味のひとつである出かける前のワクワク感を毎日味わえることも、観光バスドライバーの特権。当然、大切なお客様を無事に目的地へお届けすることが私たちの使命ですから、常に緊張感は持って安全運転に努めることは大前提。その一点さえ忘れなければ、日本全国への旅を仕事にできるんです。

バスに乗っていることを忘れるくらい、快適な乗り心地を目指して。 川合 正記 2014年入社

ただお客様を目的地までお連れし、帰ってくるだけが観光バスドライバーの仕事ではありません。それは、プロとして当然のこと。その上で、お客様の旅がより快適なものになるよう、さまざまな点に気を配りながら運転することを心がけています。たとえば、桜や紅葉の季節は山の中を走ることが多くなるのですが、カーブを曲がるためには反対車線にはみ出さないといけないため、対向車が来ないようクラクションを鳴らしながら進まなくてはいけません。事前にそうした場所を頭に入れておくことで、移動がスムーズになるんです。少しでも早く目的地に着けば、お客様の観光の時間が増えますから。他にも、どの道のどこに段差があるかを覚えておき、前もって減速する。早めにエンジンブレーキをかけながらなめらかに止まる。進路変更は50m以上前からウィンカーを出すなど、ちょっとした工夫で快適な乗り心地を生み出すことができます。あと、富士山など撮影スポットの横を通るときは、すこしスピードを落としたりもしますね。お客様に気づかれなくてもいいんです。むしろ何も意識されないのが理想の運転です。観光バスのドライバーは、10年で1人前と言われる世界。もっともっと、運転がうまくなりたいですね。